( 英: Prambanan Temple, Roro Jonggran Temple、イ: Candi Prambanan, Candi Roro Jonggrang )
9世紀にサンジャヤ王朝のラカイ・ピカタン王 ( 彼はボロブドゥール寺院を建造した仏教王朝の王女と結婚した ) により建造されたヒンドゥー教寺院で、プランバナン寺院群遺跡公園の中心寺院。インドネシア最大のヒンドゥー教寺院でもある。
ヒンドゥー教の三神一体「トリムルティ Trimurti」( シヴァ・ブラフマー・ヴィシュヌの3神をヒンドゥー教の最高神とし、この3神による破壊と再生・創造・維持が宇宙のすべてを司っているという信仰 ) を表現している。
シヴァ・ブラフマー・ヴィシュヌそれぞれ1神ずつ祀る3主堂・各主堂に対面して配置され、それぞれの神の乗り物を祀った3堂を中心とした合計16のお堂があった内苑と224の小堂が配置されていた外苑の2重構造。
シヴァ寺院 ( 英: Shiva Temple、イ: Candi Siwa )
プランバナン寺院 ( ロロ・ジョングラン寺院 ) 最大の寺院で高さ47ｍ × 幅34ｍ。シヴァがヒンドゥー教の至高神であることを表している。
東西南北すべての面から回廊に上がる階段があり、東の入口を正門としている。回廊には東から時計回りにインド叙事詩「ラーマーヤナ」の物語が彫刻されている。
東西南北すべての面に房があり、石像が1体ずつ祀られている ( 東房 : シヴァ、北房 : ドゥルガー ( シヴァの妻。ロロ・ジョングラン伝説がある )、西房 : ガネーシャ ( シヴァの息子 )、南房 : アガスティヤ ( 聖仙 ))。
対面にはシヴァの乗り物である聖牛・ナンディ Nandi を祀ったお堂があり、ナンディ像が安置されている。
ロロ・ジョングラン伝説とはプランバナンエリアに残る民話。
美しい娘だったロロ・ジョングランはバンドン・ボンドウォソという名の若者からの求婚を断るため「一夜にして1000の寺院と2つの井戸を造ることができれば結婚に応じる」と約束した ( バンドン・ボンドウォソはかつてロロ・ジョングランの父プラブ・ボコを殺した張本人だった )。バンドン・ボンドウォソは精霊を使って次々に寺院を建て始め、それを見たロロ・ジョングランは夜明けが来たとみせかけるため、村人たちに朝の習慣であった米を挽くよう命じた。勘違いをした精霊は作業を中止し、バンドン・ボンドウォソの試みは失敗。ロロ・ジョングランの計略だったことを知ったバンドン・ボンドウォソはロロ・ジョングランを石に変えてしまった。
この石像が現在のドゥルガー像だと言われており、プランバナン寺院がロロ・ジョングラン寺院と呼ばれる所以となっている。
毎週金曜日の夜にはこの物語をベースにしたショーが開催されている ( 詳しくはこちら )。
ブラフマー寺院 ( 英: Brahma Temple、イ: Candi Brahma )
シヴァ寺院の左側に位置。
高さ33ｍ × 幅20ｍ。東を入口とし、中にはブラフマーの石像がある。
回廊にはラーマーヤナの物語が描かれている。
対面にはブラフマーの乗り物である聖なる白鳥・ハムサ Hamsa を祀ったお堂がある ( ハムサ像は遺失 )。
ヴィシュヌ寺院 ( 英: Vishnu Temple、イ: Candi Wisnu )
シヴァ寺院の右側に位置。高さ33m × 幅20ｍ。東を入口とし、中にはヴィシュヌの石像がある。
対面にはヴィシュヌの乗り物である聖鳥・ガルーダ Garuda を祀ったお堂がある ( ガルーダ像は遺失 )。
内苑にあるお堂の外壁には精緻な彫刻が施されており、なかでも基壇部分に彫られている、1本の大木とその両サイドに鎮座する人面鳥キナリとキナラの彫刻は、プランバナン寺院 ( ロロ・ジョングラン寺院 ) の代表的なデザインだと言われている。
外苑に建てられた小堂は東西南北に4列ずつ配置されており、どれも同じ大きさ ( 高さ14ｍ ) だったと考えられている。現在はほとんどが瓦礫と化しており、いくつかが完全に修復されているにすぎない。
夕日の名所としても有名。
1991年に登録された世界文化遺産「プランバナン寺院群」の一部。
【 基本情報 】
| 入場料 | プランバナン寺院遺跡公園の入場料に含まれている |
| 営業時間 | 6:00 ～ 18:00 |
【 行き方 】
プランバナン寺院遺跡公園入口から徒歩5分。
ツアー情報 ー
プランバナン寺院のみのお手軽コースからボロブドゥール寺院やジョンブラン洞窟など他の人気観光地と組み合わせた周遊コースまで多彩なツアーラインアップ。
プランバナン寺院が入っているツアーリストはこちら。